光と海洋の一次生産

光と海洋の一次生産

Trevor Platt & Shubha Sathyendranath:著

中田 喜三郎:訳

B5判/上製/188ページ/定価 本体6,200円+税
ISBN978-4-915342-54-7

海洋の生態系の構造と機能を理解するために,一次生産についての知識は不可欠である。本書では,一次生産量を 計算するために必要となる基礎理論を系統的に展開し,海洋における一次生産をモデル化するにあたってどのような点に注意し,どういった手順をふめばよい か,実際の手法とともに解説した。「海洋と生物」で連載されたものを単行本用に再編集した,待望の書。
●目次●
はじめに/日本語版への序文/本書で使用される記号
第1章:光合成と光
・序文
・主要な変数
・現象論的な設定
・数学的な表現
・経験モデル
・スペクトル表示
・規格化された照度と光順化パラメータ
・解釈
第2章:水柱における1日の一次生産量
・序文
・深度に依存しない生物量
・経験的な推定法
第3章:生物量分布が一様でない場合
・ずらしを入れたガウス分布
・任意の層での光学的な性質
・ガウス分布をもつ層の減衰係数
・応用
・一般的なクロロフィル量の分布
・一様でない生物量分布が一次生産量におよぼす影響
・データ
・解析
・一次生産量の計算と光の場の角度分布の重要性
・固有の光学特性とみかけの光学特性
・一次生産量の計算への応用)
第4章:光の場の角度分布
・輝度と照度
・下向きの照度の余弦成分の平均
・海面に到達する光の角度分布
・光源輝度の角度分布
・大気中の輝度の関数とした水中での輝度
・水中での余弦成分
・大気中での輝度が一様な分布
・大気中での輝度分布がハート型の場合
・水中での輝度が一様な分布
・利用可能な光モデル
・吸収光モデル
・光の場の角度分布と吸収光モデル
・一次生産量の完全な定式化
・吸収光モデルと利用可能な光モデル
第5章:光合成ー光モデルの生理学的な基礎
・序文
・指数関数モデル
・ハイパボリックタンゼントモデル
・統計的な基礎
・光合成ユニット(PSU)に衝突する光量子の流れ
・2つのモデルの比較
・クロロフィル量の比吸収係数
・光合成パラメータ
・光合成パラメータの相関
・光合成パラメータの相対的な大きさ
・強光阻害
第6章:植物プランクトンによる光の吸収
・パッケージ効果
・吸収効率
・色素の効果
第7章:海色リモートセンシングと一次生産量
・海色リモートセンシング
・一次生産量とリモートセンシング
・時間と空間のスケール
・一次生産量を推定するための成分
・リモートセンシングから計算される一次生産量
・局所的なアルゴリズム
・鉛直的に均質な非スペクトルモデル
・表層混合層の1日あたりの生産量
・一様でない分布
・透過水深
・有効な生物量
・透過水深と有光水深の関係
・経験的な方法
・光学的特性
・海色の解析的なモデル
・モンテカルロ法
・クロロフィル-a 濃度の推定
・局所的なアルゴリズムの外挿
・海洋区分の論理的な根拠
・動的な生物地球化学的海域区分
・生物地球化学的な海域区分の例
・一次生産量のリモートセンシング技術
・むすび
訳注/参照文献/索引
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