アクアバイオ学概論

アクアバイオ学概論

松原 創・塩本 明弘:編著

B5変型/200ページ/定価 本体2,500円+税
ISBN978-4-915342-74-5

日本の水産業を支えるオホーツクの海。海氷が形成される特殊な環境,そこにすむ生物と形づくられる生態系,そして水産業の新しい取り組みまで,オホーツク圏を知りたい人のための1冊です。
2015年,東京農業大学生物産業学部アクアバイオ学科が設立10年を迎えたことを機に,平成27年度日本水産学会北海道支部大会公開シンポジウム「オ ホーツク圏におけるアクアバイオロジーのフロンティア:東京農業大学アクアバイオ学科10年を迎えて」において,本学および各研究機関で行われている研究 内容を,水産関係者と一般の方に紹介した。本書は,このシンポジウムやアクアバイオ学科1年生の必修講義である“アクアバイオ学概論”をベースに,新たな 知見を加え,いまだ不明な点が多く残されているオホーツクの水圏全般に関して書かれたものである。
本書は“アクアバイオ学概論”の教科書とすることを主眼としたが,オホーツク域の水圏について学びたい方々の啓蒙書としての位置づけも考慮した。さまざまな方に本書を活用してもらえたら幸甚である。
(はじめにより抜粋)
●目次●
はじめに(松原  創・塩本明弘)
アクアバイオ学科開設10周年記念出版に寄せて(伊藤雅夫)
アクアバイオ学科の誕生に関わって思うこと(蓑茂壽太郎)

【第I部:オホーツク圏の水圏環境および生態】
第1章:リモートセンシングで見るオホーツク沿岸環境(朝隈康司)
・コラム1 オホーツク海は幸運の海(谷口  旭)
第2章:北海道オホーツク海沿岸域の植物プランクトン:豊かさを支えているもの(塩本明弘)
・コラム2 オホーツク海は中層水の沈降域か,深層水の湧昇域か?(柏井  誠)
第3章:氷海における基礎生産者:植物プランクトン・アイスアルジー(西野康人)
第4章:オホーツク海沿岸域における動物プランクトン(中川至純)
第5章:海藻について(高橋  潤)
・コラム3 アッケシソウ群生地保全(中村隆俊)
第6章:頭足類の生活史(瀬川  進)
第7章:水圏動物の種分類を考える(白井  滋)
第8章:環境変動に伴うアザラシの生態変化(小林万里)
第9章:汽水域の生態学(園田  武)
第10章:北海道網走の地域特異的遺伝資源としてのクローンドジョウ(荒井克俊)
第11章:水圏生物の化学生態学と性フェロモン(山家秀信)

【第II部:オホーツク圏の水産利用】
第12章 オホーツクの漁業を支える水産増殖(千葉  晋)
・コラム4 オホーツク海・根室海峡における水産資源管理(金岩  稔)
第13章 最近のサケ・マス類の資源変動と資源づくり(宮腰靖之)
第14章 オホーツク海域における海洋資源の付加価値向上をめざして(松原  創)
第15章 仔稚魚期の疾病を防除するためのプロバイオティクスの開発(渡邉研一)
第16章 食の安全をめざした漁港・産地市場の衛生管理(吉水  守)
・コラム5 新しいビジネスモデルに基づくホタテガイ加工の提案(山ア雅夫)
・コラム6 各種官能評価センサによる日本ならびにアジア各国で生産された各種魚醤油のマルチマッピング解析(佐藤広顕)
第17章 水産業の六次産業化(菅原  優)
・コラム7 地域におけるアクアバイオ学科の役割(渡部貴聴)
おわりに(松原  創・塩本明弘)
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