ミナミイセエビ −驚くべき生態と増養殖への挑戦−
橘二郎:監修・早川康博:編集
A5判/372ページ/定価 本体4,000円+税
ISBN978-4-915342-63-9
【著者】
橘 二郎:北里大学名誉教授・税所 俊郎:元鹿児島大学教授・二村 義八朗:元東京大学教授・関口 秀夫:三重大学名誉教授・招聘教授・ジョン D. ブース(John D. Booth):元NIWA・早川 康博:水産大学校教授・水野 恵介:(独)海洋研究開発機構(JAMSTEC)・西田 周平:東京大学大気海洋研究所教授・加戸 隆介:北里大学教授
日本で流通する「イセエビ」のほとんどを占め,世界的にも需要の高まっているミナミイセエビ類。
外洋に出たフィロソーマ幼生(phyllosoma)は,どこで育ち何を食べどうやって沿岸に回帰してくるのか,またガラスエビとも呼ばれるプエルルス幼生(puerulus)とはどのような生態をもつのか。南半球の海を主な舞台として,ウナギとならんであまりよく生態のわかっていないイセエビ類の謎にせまる。本書では世界で初めてイセエビ類の完全養殖を成し遂げた著者による増養殖の技術も紹介しており,世界をリードする日本の養殖技術をさらに飛躍するためのヒントとなろう。
また,これまで和名がなく,曖昧な表現でよばれていたミナミイセエビ類の3属(Sagmariasus属,Jasus属,Projasus属)9種について新たに和名を提唱し,イセエビ類・セミエビ類の属までの最新の分類体系を解説。各種コラムや,カラー/モノクロの口絵による図版も満載した。
水産関係者,研究者・学生のみならず,飲食業者などイセエビ類を取り扱うすべての方におすすめ。
橘 二郎:北里大学名誉教授・税所 俊郎:元鹿児島大学教授・二村 義八朗:元東京大学教授・関口 秀夫:三重大学名誉教授・招聘教授・ジョン D. ブース(John D. Booth):元NIWA・早川 康博:水産大学校教授・水野 恵介:(独)海洋研究開発機構(JAMSTEC)・西田 周平:東京大学大気海洋研究所教授・加戸 隆介:北里大学教授
日本で流通する「イセエビ」のほとんどを占め,世界的にも需要の高まっているミナミイセエビ類。
外洋に出たフィロソーマ幼生(phyllosoma)は,どこで育ち何を食べどうやって沿岸に回帰してくるのか,またガラスエビとも呼ばれるプエルルス幼生(puerulus)とはどのような生態をもつのか。南半球の海を主な舞台として,ウナギとならんであまりよく生態のわかっていないイセエビ類の謎にせまる。本書では世界で初めてイセエビ類の完全養殖を成し遂げた著者による増養殖の技術も紹介しており,世界をリードする日本の養殖技術をさらに飛躍するためのヒントとなろう。
また,これまで和名がなく,曖昧な表現でよばれていたミナミイセエビ類の3属(Sagmariasus属,Jasus属,Projasus属)9種について新たに和名を提唱し,イセエビ類・セミエビ類の属までの最新の分類体系を解説。各種コラムや,カラー/モノクロの口絵による図版も満載した。
水産関係者,研究者・学生のみならず,飲食業者などイセエビ類を取り扱うすべての方におすすめ。
●目次●
まえがき
序章:ミナミイセエビ類の研究小史(橘二郎)
1.ミナミイセエビ類のフィロソーマ幼生(関口秀夫)
編集後記
索引
著者紹介
まえがき
序章:ミナミイセエビ類の研究小史(橘二郎)
- ミナミイセエビ類とは
 - 大西洋沿岸産ロブスターから南アフリカ産ケープロブスターへ
 - ケープミナミイセエビとの遭遇
 - さまざまなミナミイセエビ類
 - ミナミイセエビ類の和名
 - 【コラム】氷河期の跡を残す北大西洋沿岸で資源を増やしてきたアメリカンロブスター(橘二郎)/赤色砂岩のセントローレンス湾で資源を維持したアメリカンロブスター(橘二郎)/北大西洋東岸に生息するヨーロピアンロブスターとヨーロッパイセエビ(橘二郎)/Cecil von Bonde博士の業績と思い出(税所俊郎)/シーラカンス発見者ラティマー女史宅訪問(早川康博)
 
- 生息場所
 - 現在の南半球の海
 - 過去の海洋
 - 【コラム】Argoによる海洋観測(水野恵介)/地衡流(水野恵介)/潮間帯のフジツボ相からみたオーストラリアとニュージーランド(加戸隆介)
 
- 甲殻十脚類およびイセエビ・セミエビ類の分類体系
 - ミナミイセエビ類の形態と分類
 - ミナミイセエビ類の生物地理
 - ミナミイセエビ類の種分化と系統
 - 【コラム】分類と学名(関口秀夫)/イセエビ類の鳴音器とその生態学的意義(関口秀夫)/遺伝子マーカによる種判別方法(関口秀夫)/日本産イセエビ属の種と地理分布(関口秀夫)
 
1.ミナミイセエビ類のフィロソーマ幼生(関口秀夫)
- ミナミイセエビ類の初期生活史の特徴
 - フィロソーマ幼生の形態と種同定
 - フィロソーマ幼生の水平・鉛直分布と輸送・分散・回帰の経路
 - フィロソーマ幼生の食性
 
- まえがき
 - 形態:プエルルス幼生と稚エビの違い
 - 沿岸回帰
 - 採集方法
 - 着底行動
 - プエルルス幼生から稚エビへ(水槽実験)
 - おわりに
 
- Predators and prey
 - Age and growth
 - Reproduction
 - Movements
 - Behaviour
 - Afflictions
 - Fishing of Jasus spiny lobsters
 
- 捕食者と餌生物
 - 加齢と成長
 - 再生産
 - 移動
 - 行動
 - 病害
 - ミナミイセエビ類の漁業
 
- 【コラム】イセエビの資源変動と黒潮との関係(関口秀夫)/プエルルスはポストラーバ? それともメガロパ幼生?(関口秀夫)/Spiny lobster fishing by Maori(John D. Booth);[和訳]マオリの人々のミナミイセエビ漁(早川康博)
 
- はじめに
 - イセエビ科幼生の感覚器官
 - 餌を食べるための器官
 - プエルルスの栄養源は?
 - 残された謎の数々
 - 【コラム】プエルルス幼生と似た生態をもつフジツボのキプリス幼生(加戸隆介)
 
- ノープリオソーマ・フィロソーマ幼生飼育の研究史
 - 中断したケープミナミイセエビのフィロソーマ幼生の大量飼育
 - 最初のケープミナミイセエビのプエルル ス誕生
 - タスマニアとニュージーランドのミナミイセエビの交雑
 - ニュージーランド東方洋上で採集したフィロソーマの輸送および飼育
 - ミナミイセエビ (Jasus edwardsii)の大量生産の試み
 - カッチュウミナミイセエビ(Sagmariasus verreauxi)の種苗生産
 - ヨーロッパイセエビ(Palinurus elephas)の幼生飼育
 - イセエビ大量生産への挑戦
 - 【コラム】ハナサキガニの種苗生産:ハナサキガニもウィルスに冒されやすいのか?(橘二郎)
 
編集後記
索引
著者紹介
<参考>
本文中で使用したイセエビ類の和名一覧
I.Sagmariasus属(カッチュウミナミイセエビ属)
本文中で使用したイセエビ類の和名一覧
I.Sagmariasus属(カッチュウミナミイセエビ属)
- Sagmariasus verreauxi
 - 本書4ページ表1「ミナミイセエビ類の新和名とその分布・漁獲量」参照
 
- Jasus edwardsii
 - Jasus lalandii
 - Jasus tristani
 - Jasus paulensis
 - Jasus frontalis
 - Jasus caveorum
 - 本書4ページ表1「ミナミイセエビ類の新和名とその分布・漁獲量」参照
 
- Projasus parkeri
 - Projasus bahamondei
 - 本書4ページ表1「ミナミイセエビ類の新和名とその分布・漁獲量」参照
 
- Panulirus japonicus = イセエビ
 - Panulirus cygnus = オーストラリアイセエビ
 - Panulirus argus = カリブイセエビ
 - Panulirus interruptus = カリフォルニアイセエビ
 - Panulirus marginatus = ハワイイセエビ
 
- Palinurus elephas = ヨーロッパイセエビ
 
- Homarus americanus = アメリカンロブスター
 - Homarus gammarus = ヨーロピアンロブスター
 
- Homarinus capensis = ケープロブスター
 
